何かを守るには何かを捨てなければならない。
大切なことは、何を守って何を捨てるかだ。
その選択が正しいのか間違っているのか、その時には分からない。
多分答えはいつも同じである。
選択したものに対して努力を惜しまなければ
答えはいつも正解を導く。
彼との麻雀は刺激的であった。
勝負に負けて彼に教えを乞いた私には恥ずかしさを凌ぐ新鮮さがあった。
彼との相性の良さは趣味が一緒だったことだ。
読書や映画鑑賞。
本の貸し借りをしたり、一緒にDVDを観たりと、
飲みに行っては麻雀の話だけでは無く、趣味の話に時間を忘れ
彼との信頼関係は深まっていった。
麻雀の話と言えば、いつも私へのダメだしだww
なんでそうなの? こうしなよ!ああしなよ!
時には理不尽なこともあったがとにかく私は吸収したかったのだ。
彼の麻雀センスを。
麻雀戦術については後の話で語るとして・・・・
私は自分を磨くべく高いレートのお店へも出入りするようにした。
行きつけの歯医者さんから紹介してもらった
マンション麻雀である。
ここのルールは1局精算でレートはちょっと書けないww
親に跳満打てば2ケタ近いレートだ。
客層は、近くにある東大病院の教授さんや、区議会議員
あっち系の人やら、おぼっちゃま大学生、様々だ。
漫画のような世界に私は初めて飛び込んだ。
そこでも負け続けた。
そこの常連さんから言われる事は彼から言われることと全く同じだ。
『本当に自己中麻雀だな~』だ。
『自己中麻雀とはいったいなんだ?』
麻雀って自己中に打ったらいけないのか?
この辺の話も後ほどしていくが、
とにかく私は麻雀というものに没頭した。
全てのギャンブルをやめて、時間のある限り麻雀を打った。
月に平均400半荘以上だ。
打っては怒られ、打っては怒られ
とにかく麻雀といものと、麻雀を打つ人達と向き合った。
彼に麻雀を教わり2年経った35歳の時に、ゴースタのオーナーさんから
お店を閉めるという話を聞いた。
社員、アルバイト全員退職してもらうとのこと。
オーナーさんに『私がお店をやります』
そう言って私は3日後、17年間勤めたホテルの辞表を出す。
社員は3人アルバイトは彼を含め7人
みんな楽しい仲間だ。
と私は思っていた。
とにかく黒字経営にしなくてはいけない私はお店の接客に力を入れた。
スタッフ一人一人に声をかけ、やる気を出させお店を1つにしようと頑張った。
結果は3ヶ月で出た。
ここから一気にいこうと思った矢先に社員から声があがる。
『彼を辞めさせて欲しいとのこと・・・』
その頃の彼は私の一番の親友で、仕事も一緒に頑張ってきたつもりだったが
社員はそうではなかった。
簡単に言えば彼の仕事ぶりが気に入らなく
ただ、誰も彼に注意出来ないのだ。
彼の存在は麻雀では大きく、彼の態度もまた大きくなっていったのだ。
社員の意見はこうだ。
『徳山さんの目指しているお店と彼の仕事は合わないとのこと』
彼の業務態度を許せばお店はこれ以上良くならないです。
今の今まで黙認してきた社員が何を言ってるんだと思ったが、
私は今このお店の舵取りをしている。
クルーの気持ちも考慮しなくてはならない。
確かに私が理想とする麻雀店に彼は必要か・・・?
私は1週間本当に悩んだ。
たどり着いた答えは
彼は接客が好きなのでは無く、一人の麻雀打ちなのだ。
私は彼を仕事終わり飲みに誘い彼に辞めてもらうことを伝える決意した。
乾杯する前に彼に『話がある』と言ったところ
彼が『今日は俺の送別会だよね?』そう言った。
え?っと聞きなおすと
『徳山さんは麻雀も悩みも分かりやす過ぎる』と答えてきた。
私は彼にごめんと言おうとしたが、
ありがとうという言葉を選んだ。
私は最後に彼にこう言った。
『俺はいつも後ろでお前が見ていると思いながら麻雀打つよ
だから必ず強くなって、もう1回お前と勝負する。
2年前と同じルールで』
彼は『絶対負けねー』と笑顔で答えてくれたが
その後10年近く経つが彼との勝負はまだしていない。
何かを守るには何かを捨てなければならない。
大切なことは、何を守って何を捨てるかだ。
その選択が正しいのか間違っているのか、その時には分からない。
多分答えはいつも同じである。
選択したものに対して努力を惜しまなければ
答えはいつも正解を導く。
あの時お店のために彼を辞めさせてくれと言ったスタッフ達はもういない。
そして彼ももういない。
私はいつもお店を優先に経営者としての選択をしてきたつもりだ。
その選択を正解に導くために日々努力しているつもりだが、
彼がもし近くにいたら『麻雀も経営も自己中だな』と言われるかもしれない。
そろそろ麻雀のことでも書きますか~
麻雀パラドックス5局でのお話。。
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