人間とは言い訳を探す天才である。

筋トレしよう!マラソンしよう!ダイエット、禁煙、勉強、仕事・・・

ツラくなった時に辞める理由を探すのは天下一品だ。

だが、麻雀の言い訳ほど自分を慰められないものはない。

 

彼が去ったあとも私は麻雀に明け暮れた。

勝ちたい、強くなりたい、彼に認めてもらいたい。

休みの日はマンション麻雀に出向きとにかく麻雀を打ちまくった。

マンションの常連のお客さん(Kさん)からある日昼飯の誘いがあった。

その人はキャバクラを経営してる42歳、私より年上で麻雀の腕は今思い返しても強かった。

その人が私に聞いてきた。

『徳山くんは何で麻雀やってるの?』

私は気の利いた言葉を返せず『強くなりたいからですかね~』と素直に言ってみた。

すると、『何で強くなりたいの?』

なんでって・・・当たり前じゃないの?

『勝ちたいからです』

『何に勝ちたいの?』

何に?・・・

『彼に???かな~』

私は彼との経緯をその人に話した。

『彼に勝つってどういうこと?』

『そのルールで勝ったとしてそのあとは?』

私は言葉に詰まった。

何でこんなに必死に麻雀やってるのかな~と初めて考えた瞬間だった。

 

そもそも麻雀で勝つってどういうことだろう。

囲碁や将棋と違って勝ち続けることの出来ないもので『勝つ』とは?

昨日は負けた。

今日は勝った!

そんなゲーム性のある麻雀というもので『勝つ』の意味を考えた。

1半荘で答えは出せないが、10半荘なら?100半荘なら?

100半荘どうなったら勝ちでどうなったら負けなのか?

そんなことを考えながらマンションで麻雀を打っていた。

順番待ちのKさんが後ろで見てた。

1局精算のルールなので1局1局が勝負である。

白、発を鳴いてる人がいて、私は中単騎でリーチをかけた。

親の役無しドラ3である。

結果は私が白発鳴いてる人へのホンイツ満貫放銃だ。

Kさんが『徳山くんなんでリーチ打ったの?』

『だって中打てないし・・・』

『で?』

『だってドラ3ですし』

『で?』

『結果満貫放銃だよね?』

『でもそれは結果論じゃないですか?』

『徳山くんっていつもそうやって自分に満貫放銃した言い訳を考えながら麻雀打ってるの?』

『どうして満貫放銃の結果になったのかは考えないの?』

『結果論って結果が一番大切なんじゃない?』

『自分が放銃した結果に言い訳をつけたら何か結果が変わるのかな?』

『言い訳しながら麻雀打つのは1番楽だよ』

 

私の正論はKさんの正論に滝に討たれてるかのようなものすごい勢いで

全て消された。。。

あとに残ったものは羞恥心と怒りだった。

何を怒ってるんだろう。

Kさんにか?

自分にか?

麻雀にか?

ちくしょう、ちくしょうと何回頭を駆け巡っただろうか。

それでもまだ、中単騎でのリーチを正当化させる理由を考えていたのだ。

満貫放銃してしまったことよりも・・・

 

人間とは言い訳を探す天才である。

筋トレしよう!マラソンしよう!ダイエット、禁煙、勉強、仕事・・・

ツラくなった時に辞める理由を探すのは天下一品だ。

そして、麻雀の言い訳ほど自分を慰められないものはない。

 

麻雀パラドックス6局へ続く

 

 

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