麻雀パラドックス10局

私の麻雀における記録の中から1つ披露しよう。

10連続ラスだ。

上野ゴースタンダード時代に1日とにかくラスを取り続けた。

最後の半荘はトップ目から6巡目の親の国士に放銃で10回目のラスを飾った。

その時のマネージャーが初めて私に代わりましょうか?と言わせてしまうほど

周りのスタッフに気を使わせた記憶がある。

何連続ラスを取っても変わらないものがそこにはあった。

憤りだ。

憤りとは怒りや苛立ちのことだ。

なんでこれがあがれない!

なんでその待ちに放銃する?

なんで! なんで! なんで!

まるで小学生だ。

ベストコンディションで挑んでも勝ちきれない麻雀というものに

怒りや苛立ちがそこに加わったらどうなるだろうか?

思考力は激減、前のめりになり、愚弄なポンやチーを繰り返す。

短くなった私の手牌から悲鳴のような最後の声が聞こえてくる。

いくしかない・・・と。

そんな経験皆さんはないでしょうか?

私は多分人一倍、いや人の3倍4倍はあったかもしれません。

一半荘で何回いくしかない!を言ってるんだ俺は。

麻雀で負けて負けて負けて最後にやっと1つの答えにたどり着きました。

私は麻雀で負けてるんじゃない。

自分に負けてるんだと。

自分の麻雀の弱さや、メンタルの弱さを何かの、誰かのせいにして

時には反省するような言葉を吐いてきたが、

これらは全てその時の自分の感情をフラットにするだけのものであって

なんの役にも立たない。

日がたてば同じことの繰り返しだ。

 

そんな時に読んでいた本でこんな言葉をみつけた。

『自分を変えるには環境を変えるしかない』

それ以外で自分を変えるのは不可能と言ってもよいだろう。

極端な話、毎日テレビばかりみて無駄な時間を過ごすことが嫌なら

テレビを捨ててテレビのない環境にしろということだ。

 

私はこの時からある決め事をつくった。

いくしかないって言葉を禁止。

最終形って言葉を禁止にした。

雀荘では、

いくしかない!

最終形だからリーチ!

そんな言葉を耳にするが、その言葉の前に必ず本当に?と自問自答するようにした。

いくしかないって場面は必ずある。

それは必ずだ。

しかし、いくしかないの回数が多い時は必ず負けている。

その中で本当にいくしかないって場面が何度あったんだろうか?

最終形に関してもそうだ。

最終形だから何なんだ?

最終系だからオリないのか?

最終形だからリーチをするのか?

そもそも本当にこれが最終形なのか?

私は昔、国士無双の一向聴からリーチが入り、まわっていたら四暗刻をアガったことがある。

その時リーチが入ってこなければ絶対にあがれなかった四暗刻だ。

こんなことってあるのか~

麻雀って本当に不思議で、ツモ牌の可能性に今でもワクワクしている。

 

麻雀ほど理不尽なものはない。

今でもそう思っている。

アミューズには9つのコンセプトがある。

その8つめに『感情をコントロールする』の一文を入れた。

これはある意味私事だww

 

麻雀とは自分と向き合うものだと今うっすらではあるが分かってきた。

真剣勝負の中でどれだけ頭はクールに心は熱く麻雀を打てるか!

それが私の理想のスタイルだ。

まだまだ志半ばであるが・・・

麻雀パラドックス11局へ続く

 

麻雀パラドックス11局

今では有名な麻雀プロのAリーガーがまだ学生時代、私に質問をしてきた。

『麻雀は結果とプロセスどちらが大切ですか?』

私は『結果です』と答えた。

彼は少し納得できないような顔でこう続けた。

『結果がよければ手順や押し引きがめちゃくちゃでも良いってことですか?』

私は『そうだよ』

ただし、結果とはどこからどこまで?

1半荘を結果というなら答えは違うよ。

答えは『分からない』になる。

麻雀の結果というのには区切りがない。

ある大会のことか?フリー雀荘での成績のことか?自分が麻雀を辞める時までのことか?

彼は『徳山さんの結果とはいつからいつまでなんですか?』

私は『俺は1ヶ月』

当店ではお客様も含めた全ての麻雀成績を1ヶ月単位でパソコンで管理をしている。

上野店時代は1ヶ月で約200名前後の成績が全て出る。

その中で月に100半荘以上打つ人はスタッフを含め20名~40名だった。

『その人達との成績を競うのが私にとっての結果です』

ちなみにだが、私は上野店で働いた7年間(約84ヶ月)常に1位を取り続けた。

 

話を戻すが、なぜプロセスよりも結果の方が大切なのか?

簡単に言ってしまえばプロセスの良し悪しは結果でしか判断出来ないからだ。

麻雀は牌姿はもちろん、点数状況や全ての河が一致する場面は2度とやってこない。

後から反省会でこの時こうしとけば良かったか~と言っても、次回それがベストになるとは限らない。

 

あるプロセスを設けて麻雀を打ったとしよう。

1半荘目にラスを取った。

このプロセスは間違いだったのか?

いや違う。それでは検証しきれていない。

2半荘目にもラスを取った。

これでも検証しきれていない。

1ヶ月100半荘以上打ってから私は答え合わせをするようにしている。

来月は全体的にここを修正しよう!

仕掛けやリーチに対してもう少しこうしよう!

こんな感じだ。

例え月間で1位を取っていてもラス率が20%を超えていては修正が必要になるし

トップ率が30%を切っていてもそうだ。

2着率や3着率も同様に・・・

要するに修正しない月などほとんどなかった。

 

これらは全て結果を元にしたプロセスの変更だ。

毎月ベストだと思って打ち続けていても結果がそれを許さない。

今月はたまたま調子が悪かっただの、運がなかっただけだ!

なんて事を言い始めたら自分の麻雀はそこ止まりになる。

その言い訳が出来ないために100半荘という1つのゴールを決めているのだ。

 

麻雀戦術は常に進化していると思う。

進化というよりは多様化だろうか?

ゲームやネットはもちろんだが、麻雀人口の増加以上に、戦術やスタイルの多様化が進んでいるのは間違いない。

その中で自分のスタイルに酔いしれ、言い訳を繰り返しているなら

10年20年やっても麻雀で結果を出すのは困難であろう。

『人を見ずに麻雀を見ろ』

そこには自分の理解し難い、受け入れられない現実がたくさん転がっている。

自分が勝てない現実を真摯に受け入れてからが本当の麻雀なのだと思う。

 

自分の自惚れた麻雀観にはっきりとした言葉で『下手くそ』と言ってくれた人達に今では感謝している。

その時に受けた屈辱が10年経った今でもしっかりと私の甘さに鞭を打ってくれている。

 

結果とプロセスどちらが大切か!

全ての競技において結果とは現実である。

プロセスとは自己満足である。

この2つのピントが重なった時に

偶発的な要素が高い麻雀というものに初めて

『説得力』というものが生まれるんだと思う。

麻雀パラドックス12局へ続く。

 

麻雀パラドックス12局

麻雀に大切なのは情報である。

相手の牌姿が見えない以上、河や仕掛けは他家に対して最も正確な情報となる。

しかし見える情報というのは、時に相手の思考を狂わせる効果があるのだ。
親番  ドラ七索:麻雀王国
三萬:麻雀王国四萬:麻雀王国五萬:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国五筒:麻雀王国五筒赤:麻雀王国六索:麻雀王国七索:麻雀王国北:麻雀王国  發:麻雀王国發:麻雀王国發横:麻雀王国

發を仕掛けている親番で一向聴

上家から極上の六萬:麻雀王国が出た。

この時の晒しかただが
六萬横:麻雀王国五萬:麻雀王国七萬:麻雀王国     六萬横:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国

この2種類がある。

この時に間違っても五萬赤:麻雀王国を見せてはならない。

この手は親満あるわけだが、待ち牌がドラまたぎの五索:麻雀王国八索:麻雀王国である。

出アガるには決して良い待ちとは言えません。

それでも晒しかたによっては出アガり率を変える事が出来る。

六萬横:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国發:麻雀王国發:麻雀王国發横:麻雀王国    六萬横:麻雀王国五萬:麻雀王国七萬:麻雀王国發:麻雀王国發:麻雀王国發横:麻雀王国

赤が見えてるドラまたぎと赤が見えていないドラまたぎ。

プレイヤーは誰でも打点を読もうとします。

赤が見えてる場合もしドラまたぎで放銃したら最低でも5800点と考え

もしかしたら12000点かもしれない。

こんな感じで相手をネガティブ思考にしてしまうケースがあり、少々引き気味にさせてしまう場合がある。

 

では赤が見えてない場合はどうだろうか。

ドラまたぎで放銃しても最低の2900点かもしれない!

少しポジティブに考え相手の思考を緩ませる効果がある。

もちろん、相手の点数状況や場況によってはどんな晒しかたでも全部押されたり

全部オリられたりなんてこともある。

それでも赤を晒さない方が出アガり率が1%でも上がるのは間違いない。

 

しかし赤を晒した方が良い場合も実はある。
三萬:麻雀王国四萬:麻雀王国五萬:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国一筒:麻雀王国一筒:麻雀王国四筒:麻雀王国四索:麻雀王国北:麻雀王国  發:麻雀王国發:麻雀王国發横:麻雀王国

現状自分の打点は2900点 鳴いても一向聴の場合である。

これは少しでも相手に警戒をしてもらい、進行を遅らせたい。

そんな時は赤を晒し、相手を少しでもネガティブにさせる必要がある。

 

これは見せる情報、見せない情報の初歩であり、

大切なことは自分のリーチや仕掛けに対して他のプレイヤーの思考が動くといことだ。

それによって起こりうる結果を予測をしてから、自分が動くという事が重要になってくる。

鳴く?鳴かない?

リーチ?ダマ?

そんな局面はよくあると思うが、

そこに、この動きを相手はどう考えるか?

それを考える事が出来れば、少しでも正確な動きになるのではないだろうか。

麻雀パラドックス13局へ続く。

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アミューズ
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