麻雀パラドックス25局

目で見える物は真実であり、目で見えない物は予測である。

が・・・・

本当にそうであろうか?

人の心理は目で見えないが、心理とは行動や言葉に変え姿を現す。

その姿は心理の形であり、予測以上、真実未満と考えるのが私流だ。

 

麻雀ではオーラスこそ人の心理は姿に変えやすい。

親 9000点

南家 19000点

西家 33000点

私 北家 39000点

ざっくりとした点棒状況だが、こんなオーラスがあったとしよう。

残り3巡となりリーチや仕掛けが入ってない状況である。

私の手牌はこんな感じだ。
三萬:麻雀王国四萬:麻雀王国五萬:麻雀王国六萬:麻雀王国三筒:麻雀王国三筒:麻雀王国三筒:麻雀王国三索:麻雀王国五索赤:麻雀王国七索:麻雀王国西:麻雀王国西:麻雀王国西:麻雀王国

ツモ六萬:麻雀王国で聴牌した。

ドラは七索:麻雀王国

問題はここからだ。
三索:麻雀王国切りかドラの七索:麻雀王国切りで迷ってはいけない。

ここは西:麻雀王国で降りを選択するべきである。

なぜか?

この1局でトップを取るにはカンチャン待ちでのあがりでは無く流局だからだ。

この場面、流局で親のノーテンは自分のあがりと同等の意味を持つ事を忘れてはいけない。

この局の点棒状況をもう1度考えてみよう。

親 9000点

南家 19000点

西家 33000点

私 北家 39000点

 

まず2着目だが、リーチや仕掛けをせずに聴牌してるケース。

条件は1300、2600以上。

点数が足りてる可能性が充分ありえる役アリのダマテン。

点数が足りず手替わり待ちをしてても残り3巡なら裏ドラ期待でリーチにくる可能性は高いことから

考えられるのはノーテンか、点数充分のダマ。

 

次に3着目だが、満貫以上直か、跳満ツモが着順を上げる条件。

こちらは点数が全く足りないダマ聴牌かノーテンが濃厚である。

なぜなら、ダマ4ハンならリーチをかけなくては跳ねツモにならない。

ダマ5ハンならリーチをかけツモ裏1で倍満のトップなのである。

よって考えなくてはならないのがダマの7ハン役以上かノーテンかである。

 

ここが1番肝心なのですがラス目の親はどうなのか?

聴牌か?ノーテンか?

これは90%以上聴牌していません。

なぜダマがないのか?

簡単です。

これを読んでる一人一人に伺います。

この状況であなたは親です。

聴牌してたとしてダマにしますか?

おそらく9割以上の方はリーチでしょう。

もちろん国士無双や四暗刻ならダマの可能性はありますが、

私が見る限りほとんどのケースでリーチをかけています。

勿論私もリーチをかけます。

役のありなし、打点の高さに限らずです。

この状況でダマに出来る人は漫画の登場人物か、麻雀でご飯を食べれる人達です。

フリーに来るほとんどの人達はこの状況での親はリーチをかけています。

よって、ノーテンが濃厚なので上家でトップ目の私が聴牌をさせるような打牌をしてはいけません。

もちろんその間に親が聴牌を入れたり、本来の待ち牌であったカンチャンをあがり逃す可能性もあります。

ただ、私の場合三索:麻雀王国七索:麻雀王国切ってもリーチはしないのでツモでのあがり逃しですが。

そのカンチャンツモの可能性のリターンと、

2着目への放銃、もしくは親への聴牌させる打牌のリスクを考えれば

この巡目ならベタ降りが最良だと感じています。

親が聴牌して、3人聴牌で3000点払ったとしてもです。

ここで大切なのは親が聴牌していない可能性が大であると気付くか気付かないかです。

このラス親の心理を読み、鳴ける牌出せ~って声に耳を傾け自分の聴牌よりも牌を絞り、

親がノーテンと牌を伏せた時に、

あなたの目に見えなかった物が真実となる瞬間となります。

麻雀パラドックス26局へ続く。

 

麻雀パラドックス26局

麻雀の面白さとは何か?

麻雀をやらない人ならあまりにも自然に抱く疑問だ。

私は必ずこう答える。

『自分の思い通りにならないところ』

しかしこの言葉には続きがある。

 

第2回雀王杯に私はエントリーをさせてもらった。

理由はこのお店で1番強いのは誰か!

そんな勝負に私が参加しない訳にはいかない。

と自己紹介させてもらったが、

麻雀に於いてそこまでの自惚れは持たないように心掛けているつもりだ。

 

第1回雀王杯の決勝卓では全員が観戦者となりその麻雀を見守った。

私はこのコラム『麻雀パラドックス』で自分なりの麻雀を書かせてもらっている。

参加者には麻雀パラッドックスを読んで頂いてる方々がほとんどだ。

何としても決勝卓に残り麻雀パラドックスに書かれている麻雀を披露しなくてはならない。

実践でこんな麻雀もあるのだということを。

それが雀王杯参加の1番の理由だ。

 

予選は私にとって決勝卓と同様だ。

敗退すれば私が参加した意味が0になるからだ。

なので予選はとにかく着巡を意識した麻雀を心がけた。

いつもは線で打つ麻雀を若干点よりに打つ麻雀だ。

何が違うかと言えば何もしない局を極力作らないというところだ。

わかりずらい言い方かもしれないが、後先考えず毎局全力でエネルギーを使う。

いつもそうすれば良いではないか?

実はそうはいかない。

そのエネルギーは必ず後で0になり、ものすごい反動がくることを私は身を持って理解しているからだ。

 

なんとか予選をトップ通過出来た私は念願の麻雀パラドックス実践編を披露することが出来た。

今回のテーマは『線で打つ麻雀』

線で打つとは何か?

今の麻雀によくある1局でのあがりを考えるのでは無く、

半荘全体のバランスを考え、何半荘でも戦えるような麻雀を心掛ける麻雀だ。

わかりやすく言えば、あがれると感じた時はリーチも仕掛けもするが

そうでなければ牌を絞りつつ、放銃を避けるというシンプルな麻雀だ。

決勝戦は1回戦だから今こそ点で打つ方が良いのでは?

そんな自問自答を繰り返しもしたが、

私の麻雀パラドックスで強さの定義とは、アベレージだとしっかりうたっている。

私が雀王杯に出場させてもらった意味を思い出しながら東1局がスタートした。

開局そうそう親が果敢に⑧のポンから仕掛けた。

普段は重たい麻雀をする鈴K様。

実は今回の優勝者である。

私は配牌から東を抱えており東の打ち出すタイミングを考えていた。

中盤になり親はピンズのホンイツ模様。

私は打てない③と東を抱え赤赤の二向聴をキープ。

③が通ったその巡に私がリャンメン2つの一向聴となりスムーズに③をリリース。

形聴は取らないと決めていた13巡目に聴牌。

私はリーチの発声とともに東をリリース。

ロン。

12000点

問題はない。

東発から面前リャンメンの赤赤聴牌で東を打てないようなら

あまりにも自分の手牌が可哀想だ。

必ずチャンスは来ると亜リャンメンの④⑦待ちをダマでツモり400、700。

それ以降ピタリと手が入らず私は極力何もしない麻雀で迎えた南1局。

トップ目の鈴K様が親の時、私の配牌は20点クラス。

第1打少考。

②③とあるリャンメンターツから打ち出した。

配牌オリではない。

そんな麻雀は私には出来ない。

ここで①④を引いてきたら笑い者だ。

この局の最初に考えた。

もし手なりで進行したとしてこの手牌の点数は?待ち牌は何待ちになる?

全くポジティブになれない牌姿であった。

こんな時こそ麻雀の可能性や流れを信じる。

最初の直感は①④は入らないであった。

もし、この感覚が大きなミスとなるならこの半荘のトップな無い。

それくらいの覚悟で②③を落としていった。

11巡目を向かえ場に①④が6枚出たところで私の河と手牌を照らし合わせた。

不要牌を切ると私は②③とソーズのカンチャンの一向聴である。

私は下家に絞るように河に並べた牌が誇らしく思えた。

必ず手が入ると信じて迎えた南2局 南家。

配牌から7枚持っていた萬子が7巡目に面前チンイツの一向聴となる。

112334466778北

258の一向聴である。

これが素直に入れば今日1番の勝負所になる。

ツモ4で打北

ツモ7で打8

1123344466777

カン2の聴牌。

13巡目にとうとう引いてきたツモ6

静かに打2を河に放つ。

チンイツ四暗刻聴牌。

おそらく観戦者もこの寄りならツモれると思っていたのではないだろうか。

14巡目親が切った牌を北家トップ目の鈴K様がポン。

そのまま鈴K様がツモあがり跳満。

静かに牌を伏せ流す。

親番前に下を向き悔しがっている暇はない。

最後の親番だ。

この半荘初めての仕掛けをした。

カン6をチー 赤絡みのソーズ567

もう一つ仕掛け、聴牌の形が②②②⑤⑤赤五赤七

赤3のカン六だ。

一巡前にトップ目の鈴K様が六を処理している。

この一巡が今の差であろう。

次巡運命の牌を引く。

⑤だ。

②②②⑤⑤⑤赤五赤七

一巡前に切られた六、6枚使いとなった②⑤

選択は②か七

もちろんどちらも通っていない牌だが・・・

定石で言えば間に合わなかったカン六を嫌い打七だろうか?

前局の勝負手も鈴K様にあがられ、今回も鈴K様の六が一巡間に合わず・・・・

カン六か 赤五単騎か・・・

この時私の頭によぎったのは自分自身のプライドだ。

もし、優勝するなら一巡間に合わせてしまった六であがりきる。

打②

次巡北家が打五

ロン。

鈴K様の345三色の片あがりの1000点だ。

もし五単騎に受けていたら12000点の親満と親番連チャンであった。

負けを確信したがうつむく訳にはいかない。

観戦者がまだ見ている。

オーラスにどんな麻雀を魅せなくてはいけないのか・・・

反省会は後でも出来る。

今はこのオーラスをしっかり打とう。

オーラス鈴K様の早いリーチ。

私はラス目でしかもドラの發を抱えていたが

メンタンピン3色の二向聴。

有効牌を引き充分な一向聴。

一枚も通っていないソーズの2を放つ。

ラス目が優勝者を決めてしまうかもしれないが

私は決してどうせラスだからという気持ちで打った2では無い。

今日一番歯を食いしばって打った2ソーだ。

フィニッシュは親の岩D様が鈴K様に⑨で放銃。

最後はチートイツのあがりだった。

結局私はこの半荘1度もリーチをかける事が出来ずに4着で終了した。

勝負手や見せ場はあったが、1度のあがりも許される事なく終了となった。

あと一巡、あと一牌。

こんな反省会は意味を持たないが、

この一巡、あと一牌に麻雀の全てが凝縮されている事は誰よりも知ってるつもりだ。

それだからこそ余計に悔しい。

アベレージが麻雀の強さだとは本気で思っているが、

それでも右手を牌に伸ばす度に勝ちたい、勝ちたいと願ってしまう。

 

麻雀の面白さとは何か?

麻雀をやらない人ならあまりにも自然に抱く疑問だ。

私は必ずこう答える。

『自分の思い通りにならないところ』

しかしこの言葉には続きがある。

 

 

自分の思い通りにならないところを教えてくれる代わりに

時に思いもよらないことを一緒に教えてくれる。

『奇跡』という言葉を実感出来るところだ。

 

鈴K様本当に本当におめでとうございます。

麻雀パラドックス27局へ続く。

 

麻雀パラドックス27局

麻雀はあと1枚を押す勇気と

その1枚を我慢する勇気で成り立っている。

押し引きの基本は場況であるがこんな場面みなさんならどうする?

オーラストップ目の親番

私36000点持ち

南家 2500点ラス目

西家 32000点2着目

北家 29500点3着目

10巡目に3着目からリーチがきた。

10巡目の牌姿
一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国二索:麻雀王国四索:麻雀王国五索赤:麻雀王国六索:麻雀王国七索:麻雀王国三筒:麻雀王国三筒:麻雀王国七筒:麻雀王国八筒:麻雀王国九筒:麻雀王国

ドラ五筒:麻雀王国

役無しのカン三索:麻雀王国聴牌。

ピンフへの変化を待つダマ聴の間にリーチが入った。

現状の安牌は六索:麻雀王国六筒:麻雀王国八筒:麻雀王国

ここにツモ四索:麻雀王国

リーチ一発目に何を切るか?

聴牌を維持するなら二索:麻雀王国四索:麻雀王国七索:麻雀王国のどれかを切らなくてはならないが

放銃すればほぼ3着に落ちてしまう大切な1打だ。

まずはしっかりと場況を整理しよう。

3着目がトップになるリーチ条件は

出アガリ8000点、3900点直撃 ツモ1300、2600

2着目になる条件は出アガリ2600 ツモ700、1300以上

私が3着目に落ちる打点は5200点以上である。

ツモられればほぼ2着に転落は間違いないが、1000、2000の可能性もある。

 

ここからは私の主観なので決して正解ではないことを先に書き留めておく。

まず聴牌を取る場合にリーチを打つのか打たないのか?

着順を左右するリーチ棒になりかねない状況だ。

危険牌を押して出アガリ出来ないのは聴牌維持のリターンよりもリスクが増してしまう。

もし私が聴牌維持をチョイスするなら二索:麻雀王国を打つわけだが、リーチは控える。

もちろん四索:麻雀王国の2枚壁という若干の安全度からである。

ただし、打つのは通ってない二索:麻雀王国だ。

しかも愚形の出アガリが出来ない状態というのがどうしても気に入らない。

 

では何を切るのか?

降りるのか?

私が一発目に切るのは筋牌の打三筒:麻雀王国一向聴戻しである。

もちろん手役絡みのリーチの可能性もあるが、この手牌で無筋の危険牌を押すのは両面のみ。

そしてもしも1300、2600の手牌なら一発を避ければ3900点止まりの可能性も残されている。

完全危険牌を掴むのが先か二筒:麻雀王国四筒:麻雀王国を引き、

両面になり一発を避けた二索:麻雀王国はここで勝負する。

もちろん巡目にもよるということを付け加えるが。

聴牌を外した以上その間の危険牌は打ってはならない。

私の打牌に中途半端だと思う人もたくさんいるだろう。

押すなら押す!引くなら現物を打つ!

それは間違いではない。

ただ、麻雀のスタイルと、思考が違うだけの話だ。

 

トップの取り方は様々だ。

押して押してトップを取れる場合もあれば、ギリギリの選択でトップを取れる場合もある。

もちろんどちらの選択も2着や3着に落ちることもあるだろう。

ただ、押しも引きも勇気が必要になる。

選択の引き出しはその勇気を無謀やひよりでは無く、

自分の意思となり後押ししてくれるものだと思っている。

押しと引きの間にある意思を大切にしたい。

 

あなたなら何を切る?

麻雀パラドックス28局へ続く。

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アミューズ
池袋駅から徒歩5分のフリー&セット雀荘
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