何かに向かって走ることは素晴らしい！
仕事だったり 恋愛だったり 趣味であったり
いつでも何かに向かって走りたいと願っている私にとってアパッチとは
全力で走った青春であったと 今思う。
劇的なサヨナラ負けをした翌年
アパッチは１０周年を迎えた。
新年会ではこんな話で盛り上がった。
『優勝したら何かしない？』
優勝旅行とか優勝パーティーとか！
そんな中 『ビールかけしようよ！』
あのテレビでみるビールかけだ。
『面白そう！』 『みんなでビールかけまくろう！』
春の大会から毎試合ベンチ前では 『絶対ビールかけするぞ！』 合言葉？ 呪文？
のように繰り返された。
準決勝を ３対１で勝利し とうとうAリーグの決勝戦まで登りつめた。
相手チームは 去年悔し涙を飲まされた相手 ブロークスである。
試合前Ｙ原さんが 『１番勝ちたい相手に勝って 思いきりビールかけするぞ！』
優勝するぞよりも ビールかけするぞ！の方が緊張しないのか
ベンチの中は大盛り上がりだった。
この日はいつもの野球場が雨天延期のため試合日がずれて
河川敷での決勝戦となった。
前回と同じくアパッチが後攻である。
先取点を許したアパッチはすぐさま逆転し ２対３
ブロークス同点に追いつく ３対３
アパッチすぐさま追加点３対６
７回表ブロークスの反撃５対６
１点を争いながら迎えた最終回
やっとここまできた。
Ｃリーグで大敗したこのチームが１０年経ってやっとＡリーグの決勝戦。
４０チームの中の頂点まで あとアウト３つ！
前回のサヨナラ負けが頭に浮かぶ。
みんなどんな気持ちなんだろ？
サードの守りについた僕は投球練習の間みんなを見てみる。
声が出てない。
やはり緊張してるのであろう。
ショートを守ってるＹ原さんですら緊張してる。
僕はショートに向かって走り Ｙ原さんに 『覚えてますか？』と声をかける。
１０年前 『今度はこのチームを優勝させて泣かせよう』って言ったの。
『誰か泣きますかね？』
Ｙ原さんがそんな言葉を思い出してる最中に 審判から プレイ！の声がかかる。
相手チームは１番から
センター前ヒット。
２番バッター バント成功
ワンアウト２塁
３番バッターセカンドゴロ その間にランナーは３塁へ
ツーアウト ３塁
バッターは４番、
前回サヨナラホームランを打たれた打者だ。
この時 野球の神様って本当にいるんだと思った。
エラーでも同点のこの場面
体が震える。
緊張？ 武者震い？
去年のようにマウドへは誰もいかない。
アパッチは１００％勝負なのである！
キャッチャーのフジが立ち上がって 『あと１人！ 笑っていきましょお！』
大きな声でみんなに声をかける。
たくましくなったなぁと改めて思う。
カウント２－２からの５球目
『ストライ～ク！ バッターアウト！』
『ゲームセット！！』
歓喜の瞬間が訪れた！
この瞬間僕は子供に戻ったように大声で叫んだ
『やった～！』
グローブを空に思いきり投げつけ
ショートにいるＹ原さんに駆け寄る。
座り込んでいるＹ原さんはメッチャ泣いてる。
４０才過ぎた男が緊張から解き放たれたんであろう 男泣きだ。
『Ｙ原さん！』
『みんなを泣かせるって Ｙ原さんが１番泣いてるよ』
そういって 思いきり抱きつく。
整列が終わりベンチに戻って 相手チームへのエールが終わった瞬間
選手全員で抱き合う。
泣いた 泣いた（笑）
僕が泣いたのは多分 優勝したからではなく
４０才過ぎたオヤジ達が恥ずかしげもなく涙を流していた。
そこに 青春を感じたからであろう。
歳を重ねるたびに昔を懐かしく思い タイムマシンがあるなら あの頃に戻ってみたい
そう考えているオヤジどもが今この瞬間を 最高にそしてハッピーに感じている。
そんな光景が僕にはとても眩しく、そしてそれがとても嬉しかった。
閉会式の間に缶ビールを（発泡酒 笑）
大量に購入し全員で念願のビールかけ！！
メッチャ冷えてるし！
なんで発泡酒やねん！
ほんとにゴーグルが必要だ！
そんな至福の瞬間を忘れないようにと
かみしめながらビールをみんなにかけまくった・・・・・
偶然は誰にでも起きる！
しかし奇跡は 強く願い 努力し 何かに向かって走ってる人に降り注ぐ
これは アパッチの軌跡であり アパッチの奇跡である！
アパッチのバッテリー☆
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